自動ドアの取付けは、大まかに分けて自動ドアのドア本体、自動ドア装置(ドアオペレーター)、ドア枠、センサーの4つのパーツを設置する工事を行います。この中で自動ドア装置に、ドアエンジンという物が内蔵されていて、センサーが人の接近を感知した時に信号が送られ、その信号によりドアエンジンが作動して自動ドアが開く仕組みになっています。工事によっては大がかりな作業になる場合もあります。正面玄関は人の出入りが多くなるポイントですので、安全性を十分に担保するために、自動ドアは各種センサーによって動作が制御されます。誤作動が無いよう慎重な動作検査が要されます。
自動ドアを設置する上で特に重要な部分はセンサーです。センサーには、自動ドアを起動するために必要な「起動センサー」があります。そして、起動センサーだけでは感知しにくい軌道上の物を、適切に感知するために「補助センサー」が設置され、通行人や物がドアに衝突しないように監視する「保護センサー」と合わせて3つのセンサーの取付けが必要です。センサーが正常に起動しないと、開閉時、事故につながる恐れがあるため、定期的な点検が必要となります。
自動ドアを導入することで得られるメリットには、次の4点があります。
手を使わずにドアを空けられるようになることで利便性が向上します。商業施設などでは、買い物した荷物を持っていたり、カートやベビーカーを引いて通行する人も多いため、スムーズな出入りを確保するのに必要不可欠な設備です。
手を使わずにドアを開けられるため、衛生面での管理がしやすくなります。完璧な衛生管理が求められる病院や食品工場での導入が多いです。
福祉施設や医療施設で、通行人の出入りを安全かつ円滑に行えるようになります。
手動で開閉するドアの場合、開けたままになる事もあるでしょう。そうなると、外気が入り込み、室温をコントロールし難くなってしまいます。自動ドアを導入することで、エアコンでコントロールした室内の空気の流出を抑えることができるので、省エネにつながります。
自動ドアを構成するパーツは、自動ドアの装置、自動ドア専用ドア、センサー、電源スイッチ、ドア枠などです。工事を受注した際には、まず、打ち合わせで設計図を作成して、各パーツを準備もしくは製作をします。パーツが揃って現場へ搬入したら、取付け工事の開始です。自動ドアの設置には、自動ドア施工技能士という国家資格を有する専門の職人が施工を行います。
ちなみに、既存のドアをそのまま使うことが出来る後付けの自動ドア装置もあります。この場合は、費用は安くなりますが、重量のあるドアの開閉はできないので、仕上がりを重視した場合は、一から設計する各パーツを作ってた自動ドアを取り付けた方がいいでしょう。