ふすまには、色々な種類がありますが、和ふすまというものが和室にはよく用いられています。これは、和紙や繊維織物などの素材を表紙として張り付けて仕上げたものです。和室に溶け込むインテリアになり、ふすま紙を重ね合わせることで、色々なパターンの模様を表現することができます。
デザインパターンが豊富な和ふすまですが、表面が紙や繊維のため、どうしても尖ったものに対しての耐久度が弱く破れやすいのが難点です。さらに経年劣化によっても変色や破損が生じてきますので、定期的な張り替えが必要になります。
ふすま紙で仕上げられている和ふすまの場合は、骨組みの上に胴張り、下張り、上張りといった素材を複数重ね張りした構造になっています。
ここでは、和ふすまの貼り替え作業について説明します。和ふすまとは、木製の骨組みの上に和紙や繊維織物を張って仕上げたふすまのことです。施工を始める前の段取りから工事完了までを紹介していますので、参考にしてください。
施工の相談を受けてから、現地に行き、ふすまの設置状況を確認します。
張り替えるふすまの模様や、見積り、施工スケジュールを打ち合わせします。話がまとまったら契約をして、張り替え工事の開始です。
設置されているふすまを取り外す作業です。設置状況によってふすまを持ち帰って施工をするか、その場で施工をするかに分かれます。
引き手とは、ふすまに付いている取手のことです。この部分と枠を外していきます。
既存のふすま紙を剥がしていく作業です。上張り、下張りを剥がして骨組みの状態にします。ダメージが少なければ、残せる部分は残す場合もありますが、一旦すべて剥がしてからの方が、仕上がりが綺麗になります。
胴張りとは、色のついた専用の紙のことです。これを張れば、透けて見えるのを防ぐことができます。胴張りの紙の方に糊を塗ってふすまに張り付ける工程です。張り付けたら、刷毛を使ってシワが入らないよう伸ばしながら表面を整えます。余りの部分は張り付けてから裁断して、胴張りが完了です。
胴張りした上に、下張り用の和紙を張り付けていきます。一枚紙で張らずに、複数の和紙で張る袋張りと言われる工法が用いられることが多いです。糊は、和紙の周辺にだけ塗り、それぞれの紙を糊しろ部分を重ねて張り付けていきます。こうすることで、上張りした時に表面が綺麗になります。
ふすまの表紙になる部分のふすま紙を、張り付けていく工程です。ふすま紙の周辺に外糊という濃い糊を塗っていき、中の部分は中糊と言って先ほどよりも薄い糊を全体に塗っていきます。塗り終わったら乾く前に、速やかにふすまに貼り付けます。ふすまの角の部分は折りたたんでテープでしっかり止めて、あとは乾燥させて上張りの工程は完了です。
取り外しておいたふすまの枠や、引き手を取り付けていく工程です。年季の入ったふすまの場合だと、補強が必要になる場合もあります。
張り替えたふすまを設置したら工事が完了です。お客様に仕上がりを確認してもらいます。